胸郭出口症候群:TOS(Thoracic Outlet Syndrome)

なりやすい人:なで肩の女性や、重いものを持ち運ぶ労働者

身体所見

  • Morleyテスト
  • Adsonテスト
  • Wrightテスト
  • Edenテスト
  • Roosテスト

Morleyテスト

鎖骨上窩を圧迫し、上肢への放散痛や圧痛の有無を確認することで、斜角筋症候群の可能性を調べます。
テスト方法

  1. 患者は座位または立位で、腕を体の横に自然に下ろした状態で行います。
  2. 検査者は、鎖骨の上、斜角筋が始まるあたりの鎖骨上窩を指で圧迫します。
  3. 圧迫時に、患者に痛みやしびれ、放散痛の有無を確認します。

陽性所見

圧迫部位に圧痛があるだけでなく、上肢や肩甲骨の方に痛みやしびれが放散する場合

Adsonテスト

患者に座位で、首を後ろに倒し、患側(症状のある側)に首を回旋させ大きく息を吸って止めるように指示します。この時、橈骨動脈の脈拍が弱くなったり、消失したり、または手の痺れや冷感が強くなった場合に陽性と判断します。

テスト方法

  1. 座位で姿勢を正す:椅子に座り、背筋を伸ばします。
  2. 橈骨動脈の触診:手首の橈骨動脈の脈拍を触れて確認します。
  3. 首の回旋と後屈:首を後ろに倒し、症状のある側(患側)に首を回旋させます。
  4. 深呼吸:大きく息を吸い込み、そのまま息を止めます。
  5. 脈拍の確認:橈骨動脈の脈拍が弱くなるか、消失するか、または症状が悪化するかどうかを確認します。
  6. 反対側も同様に検査:必要に応じて、反対側でも同様の検査を行います。

陽性所見

  • 橈骨動脈の脈拍が弱くなるか、消失する
  • 手の痺れや冷感が強くなる
  • 痛みやだるさが増強する

Wrightテスト

テスト方法

患者に座位で、患者の腕を受動的に外転・外旋90°させる。 肘の屈曲は45°以内。

その後、腕を1分間保持する。

検査者は患者の症状発現と橈骨脈拍を触知する。 四肢を過外転させた状態(外転終末域)でテストを繰り返す。

陽性所見

橈骨脈拍の減少または、患者の症状の再現で陽性。

Edenテスト

テスト方法

患者が座位で胸を張ってもらい、検者が両肩を後下方に引かせる

橈骨動脈の脈をチェックする

陽性所見

橈骨動脈が弱くなるか触れなくなれば陽性

Roosテスト

テスト方法

  • 患者は椅子に座るか、ベッドに仰向けになります。
  • 両腕を肩の高さまで上げ、肘を直角に曲げます(外転・外旋・屈曲位)。
  • その状態で、両手の指をグーパーと開閉させます(3分間)。

陽性所見

  • 検査中に、腕のしびれ、痛み、重だるさ、脱力感などの症状が悪化する場合。
  • 3分間持続できずに、腕を下ろしてしまう場合。

<参考文献>

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