なりやすい人:なで肩の女性や、重いものを持ち運ぶ労働者
身体所見
- Morleyテスト
- Adsonテスト
- Wrightテスト
- Edenテスト
- Roosテスト
Morleyテスト
鎖骨上窩を圧迫し、上肢への放散痛や圧痛の有無を確認することで、斜角筋症候群の可能性を調べます。
テスト方法
- 患者は座位または立位で、腕を体の横に自然に下ろした状態で行います。
- 検査者は、鎖骨の上、斜角筋が始まるあたりの鎖骨上窩を指で圧迫します。
- 圧迫時に、患者に痛みやしびれ、放散痛の有無を確認します。
陽性所見
圧迫部位に圧痛があるだけでなく、上肢や肩甲骨の方に痛みやしびれが放散する場合
Adsonテスト
患者に座位で、首を後ろに倒し、患側(症状のある側)に首を回旋させ大きく息を吸って止めるように指示します。この時、橈骨動脈の脈拍が弱くなったり、消失したり、または手の痺れや冷感が強くなった場合に陽性と判断します。
テスト方法
- 座位で姿勢を正す:椅子に座り、背筋を伸ばします。
- 橈骨動脈の触診:手首の橈骨動脈の脈拍を触れて確認します。
- 首の回旋と後屈:首を後ろに倒し、症状のある側(患側)に首を回旋させます。
- 深呼吸:大きく息を吸い込み、そのまま息を止めます。
- 脈拍の確認:橈骨動脈の脈拍が弱くなるか、消失するか、または症状が悪化するかどうかを確認します。
- 反対側も同様に検査:必要に応じて、反対側でも同様の検査を行います。
陽性所見
- 橈骨動脈の脈拍が弱くなるか、消失する
- 手の痺れや冷感が強くなる
- 痛みやだるさが増強する
Wrightテスト
テスト方法
患者に座位で、患者の腕を受動的に外転・外旋90°させる。 肘の屈曲は45°以内。
その後、腕を1分間保持する。
検査者は患者の症状発現と橈骨脈拍を触知する。 四肢を過外転させた状態(外転終末域)でテストを繰り返す。
陽性所見
橈骨脈拍の減少または、患者の症状の再現で陽性。
Edenテスト
テスト方法
患者が座位で胸を張ってもらい、検者が両肩を後下方に引かせる
橈骨動脈の脈をチェックする
陽性所見
橈骨動脈が弱くなるか触れなくなれば陽性
Roosテスト
テスト方法
- 患者は椅子に座るか、ベッドに仰向けになります。
- 両腕を肩の高さまで上げ、肘を直角に曲げます(外転・外旋・屈曲位)。
- その状態で、両手の指をグーパーと開閉させます(3分間)。
陽性所見
- 検査中に、腕のしびれ、痛み、重だるさ、脱力感などの症状が悪化する場合。
- 3分間持続できずに、腕を下ろしてしまう場合。
<参考文献>
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